競馬を期待値で追うために 確率の収束と試行回数を的中率で考える
今回は競馬と確率について考えてみようと思います。特に期待値がプラスの馬を買っていて負けている場合は、確率の収束する回数やタイミングが重要です。
そこで期待値と密接に関係している確率の収束を競馬に落とし込みながら、みなさんと一緒に勉強していきたいと思います。
競馬における期待値と的中率を確率で見てみよう
競馬と確率、または期待値と聞くと難しく感じるかもしれませんが、競馬で勝つためには非常に重要なポイントになります。
的中率や回収率など競馬というのは色々な確率が密接に関係していて、競馬と確率、期待値を知っていると知らないとでは雲泥の差が生まれます。
競馬における正しい確率との付き合い方を学んでもらえれば、競馬収支に対しての考え方が変わると思います。
まず競馬で勝つために期待値について知らない方は、先にこちらからご覧ください。
競馬で勝つために重要なことは期待値が1よりも大きい馬を買うことです。
ただ期待値で追っていると理論値では勝っているはずが、今現在負けていることも多々あります。
よく期待値の話しをすると毛嫌いする方もいて、期待値を追っているのに負けていると騒ぎ立てる方も多く見受けられます。
それは期待値との付き合い方がわかっていないのと、未だに競馬を短期収支で見ているからに他なりません。
期待値を追っていても負けている理由
期待値を追っていても負けている理由としては、
- 期待値がプラスでない
- 試行回数が少ない
の2つに集約されます。
そもそも期待値計算の時に的中率を求めるために必要なのは予想力です。
新しい予想方法や買い方を変えた時も、おおよその的中率が見えるまで継続していかないと期待値は計算できないということです。
期待値はオッズが2倍などの本命馬でも100倍を超えるような大穴馬でも、好走条件(的中率)によって期待値が1以上になります。
ただし2倍の馬と100倍の馬の期待値が同じであっても、的中率には大きな差が生まれます。
例を挙げてみると、
- 単勝オッズ2倍 的中確率60% 期待値1.2
- 単勝オッズ100倍 的中確率1.2% 期待値1.2
どちらも期待値は1.2なので買い続けることによって収支がプラスになることは間違いありません。
ただ、オッズ2倍の場合は的中率が60%なのでかなりの高確率で当たりますが、オッズ100倍の方は的中率が1.2%なのでほとんど当たらないことになります。
期待値がプラスだけど勝てないという方の大半は単勝オッズ100倍までは行かなくても、的中率が収束する期間を知らない場合が大半です。
そのような方は期待値の収束や的中率の収束について覚えておくと気持ちが楽になります。
競馬における的中率から見る確率の捉え方
的中率が10%の馬券を買う場合に、単純計算で10R買えば1レース当たるような感覚になると思います。
例として競馬の場合は的中率を正確に求めることはできないのですが、予想の精度や馬券の的中率からおおよそ10%と仮に出しておきます。
的中率10%の馬券1点を10レース買って外れる確率というのは34.8%です。
逆を返すと的中率10%の馬券1点を10レースまでに当たる確率というのは、65.2%しかありません。
計算してみると思ったよりも少ないと思った方も多いのではないでしょうか。
これがもし20R買った場合に的中率10%の馬券1点が当たる確率というのは88%です。
12%の確率で20R買っても的中率10%の馬券が外れ続けて連敗します。
的中率が10%の馬券を2点買ったとしても的中率が20%になるわけではないので、上記の例で行けば券種の総点数にもよりますが多少当たりやすくなる程度です。
少ないレース数で勝負することがいかに危険でギャンブルかということがわかるかと思います。
確率を収束させるために必要な試行回数(レース数)とは
ここまでの内容を見てみると期待値を追っていても負けている理由は、期待値の計算が間違っていない前提で行くとレース数が足りないということでした。
そこで期待値の高い馬券をたくさん買いながら何レースをこなしていけば、確率の収束が起きるのかが気になるはずです。
まず確率というのは回数を重ねれば重ねるほど信憑性が増していきます。これを大数の法則といいます。
試行回数と言うのは確率を求めたり信憑性担保するためなどの試す回数を言い、競馬で置き換えるとレース数という認識で構いません。
確率の収束に必要な試行回数
確率の収束に必要な試行回数というのは、数学学者の方によって計算式が出されています。
- 確率分母の100倍の試行回数をこなせば、95%の確率で誤差±20%以内
- 確率分母の400倍の試行回数をこなせば、95%の確率で誤差±10%以内
これは競馬だけではなく確率が関わるすべてのことに共通することで、確率分母に対して100回の試行回数でも95%の確率で誤差が±20%以内という、気の遠くなるような回数が必要になっています。
先ほどの的中率10%の馬券を例にしてみると、的中率10%は1/10で当たるということなので確率分母は10です。
その100倍の試行回数の場合は1000点になるので、的中率10%の馬券を1000点買うと95%の確率で的中率が8%から12%に落ち着くということです。
18頭立ての三連単で試行回数を考えてみると
ここで三連単の的中率が落ち着く試行回数について考えてみようと思います。
JRAで開催されるレースの最大頭数は18頭なので、18立ての三連単の場合は点数が4896通りです。
18頭立ての三連単1点当たりの的中率は0.00002%ということで、途方もない的中率になります。
これを先ほどの計算式に当てはめてみると本来の的中率に収束するまでに、
- 48万9600点の三連単購入で±20%以内に収束 (確率分母の100倍)
- 195万8400点の三連単購入で±10%以内に収束 (確率分母の400倍)
となるので確率分母の100倍で見た場合に、1レース100点の三連単を買ったとしても4896レース購入してようやく±20%の収束にしかなりません。
試行回数から見る競馬との向き合い方について
確率の収束を見てみると確率が本来の確率通りになるには、かなりの試行回数が必要だということがわかります。
当然的中率が低い馬券であれば不的中の連続も覚悟しなければなりませんし、的中率が高い馬券に関しても不的中の連続は確実に起きます。
ここで大事なのは、
- 目の前のレースを当てるために予想をする
- 期待値を積むために予想をする
ということを意識しています。
実際に的中率というのは目に見えなくて計算することも難しい部分ですが、予想の精度によって直結してくる部分です。
期待値というのはオッズよりも高くなることは無いので、オッズが1.5倍の馬であれば的中率が100%であっても期待値は1.5です。
私が普段から中穴から大穴を狙っているのは高期待値を狙っているのと、確率を早く収束させるために単勝などの高い的中率の馬券を多点買いしています。
大穴狙いも本命狙いも結果的には積み上げている期待値に収束していくと思っているので、競馬を続けていくのであればどれだけ期待値を積んでたくさんのレースをこなしながら確率を早く収束させるかが重要です。
大穴狙いの高期待狙いは不的中が続くので適切な資金管理が必須ですし、複数の券種を混ぜて高的中率を維持できるのであれば、複利運用をする方が手っ取り早く資金を増やせます。
その辺に関して参考になる記事もありますので、合わせてご覧ください。
競馬における確率の収束と試行回数について まとめ
今回は競馬における期待値と確率、試行回数について色々書いてみましたがいかがだったでしょうか?
ほんとは回収率と競馬収支についての確率も合わせて書くつもりでしたが、文字数がかなり多くなるので他の記事にて解説しようと思います。
確率というのは本来の姿があり、そこまで収束する試行回数というのは多ければ多いほど信憑性が上がっていきます。
競馬に限らず確率と言うのは今回説明したような側面があるので、確率とうまく付き合っていくのが競馬で勝つ大事な考え方の一つになります。
今回の記事をまとめると、
- 期待値を追うことは競馬で勝つために必要
- 不的中の連続は突然起こる
- 不的中の連続が起こっても、期待値がプラスであれば継続あるのみ
- 的中率(券種)によって確率が収束する回数は異なる
- 競馬の収支は長期的に見る必要がある