馬券の資金配分を考える 均等買いと均等払い戻し買いのメリットデメリットとは
今回の記事は馬券を購入する時の資金配分について考えみたいと思います。
1レースで使える金額が決まっている場合、どのように券種に対して資金配分するかが重要になってきます。
馬券をどういう風に資金配分するか悩んでいる方が、少しでも解決できるよう解説していきます。
馬券の資金配分とは
馬券を買う時の資金配分についてですが、まず資金配分とは何かについて考えていきます。
一般的に馬券を買う時は予想をしてから印を付け、券種を決めて資金配分という流れが一般的だと思います。
競馬で勝つためにはこの3つのプロセスがしっかりできていないと、競馬で勝つのは難しいです。
- 予想(印を決めて馬の優劣を決める)
- 券種選定(買う券種と買い方、印をどのように反映させるか)
- 資金配分(買う券種に対して資金をどのように配分するか)
1レースで使う金額に対しての資金配分に関しては単利運用と複利運用がありますので、気になった方はご覧ください。
馬券の均等買いについて
まずは均等買い、または均等賭けと呼ばれる買い方についてですが、言葉の通り同一の金額を賭けることを言います。
単勝多点や2頭以上絡む馬券での流し、フォーメーション、BOX買いのどれにも当てはまりますが、100円なら100円を同一金額賭けることが均等買いです。
具体的な例として馬連を流しで5通り買った場合ですが、
- 1-4 4倍
- 1-5 8倍
- 1-6 20倍
- 1-7 36倍
- 1-8 40倍
のオッズだった場合にそれぞれ同一金額を賭けることを均等掛けと言います。
100円ずつ賭けた場合で的中するとこのような払い戻しになります。
- 1-4 4倍 ×100円=400円
- 1-5 8倍 ×100円=800円
- 1-6 20倍 ×100円=2000円
- 1-7 36倍 ×100円=3600円
- 1-8 40倍 ×100円=4000円
- 投資金額500円
馬券の均等払い戻し買いとは
均等買いとは違い均等払い戻し買いというのは、払い戻し金額を一定になるように賭けることを言います。
こちらも同じように具体例を出すと、
- 1-4 4倍 ×1000円=4000円
- 1-5 8倍 ×500円=4000円
- 1-6 20倍 ×200円=4000円
- 1-7 36倍 ×100円=3600円
- 1-8 40倍 ×100円=4000円
- 賭け金1900円
のような賭け金にすることを言います。
36倍のところは同じ4000円にならないですが、実際のオッズもキッチリ同一払い戻しとはならないので、このような誤差は必ず生まれてしまいます。
均等買い(均等賭け)のメリット、デメリットとは
まず均等買いのメリットからですが、賭け方が単純で資金配分が容易ということです。
予想を配信されている方の大半が流し買いかフォーメーション買いで、馬連であれば1-4.5.6.7.8.各100円のように配信されています。
購入者はそのように買うだけなので手間もかからないですし、買い方も単純なのが均等買いのメリットで、資金管理もしやすいので単利運用に非常に向いています。
それとオッズによりますが先ほどの例を見ると100円で4000円の払い戻しが受けられる可能性があることから、高いオッズが当たればその分高配当が得られることも大きなメリットです。
均等買いのデメリットとしてはトリガミの買い目が含まれることも大きく、せっかく当たっても負けているのでは元も子もないと私は考えてしまいます。
その対策として低いオッズを切る方法もありますが、低いオッズというのはその分的中率が高いので外れてしまう可能性も高くなってしまいます。
下限オッズにも関係するオッズフィルターについて、気になる方はこちらからご覧ください。
個人的に均等買い最大のデメリットだと思う点
もう一つ個人的に最大のデメリットだと感じているのは、印の重さに関係なく高配当の払い戻しが運任せ(ギャンブル)になってしまうという点です。
- 1-4 4倍
- 1-5 8倍
- 1-6 20倍
- 1-7 36倍
- 1-8 40倍
先ほどのオッズ例で説明すると、1番が本命◎、4番対抗〇、5番単穴▲、6番7番8番抑え△となる場合は印の序列がこうなります。
- ◎1-〇4 4倍
- ◎1-▲5 8倍
- ◎1-△6 20倍
- ◎1-△7 36倍
- ◎1-△8 40倍
△の抑えで40倍的中した場合は、結果的に4000円の払い戻しになるので結果オーライだと考える人もいると思いますが、予想印の順番的に上位の印の方が的中率は高くなるはずです。
的中率以外でも予想の印の重さが関係なくなり、ただ高配当が来ることを願うだけのギャンブルのように感じます。
また的中率の高いはずの対抗〇と単穴▲の馬券が利益にならないため、勝つことが難しいのではないかと思います。
今回は馬連なので単純な流し馬券ですが、三連複や三連単をフォーメーションで点数を絞って買う場合にも印の重さよりも荒れ待ちということになります。
均等払い戻し買いのメリット、デメリットとは
均等払い戻し買いのメリットからですが、均等払い戻し買いは当たれば決まった払い戻しが受けられるという点です。
安いオッズも高いオッズも払い戻しが一定なので、当たった時の金額が計算しやすく、競馬を投資と考えている方が多く使っている買い方です。
高いオッズも安いオッズも一定の払い戻し金額ということは、せっかく高い穴目の馬券が当たっても配当が付かないという方もいるかと思います。
ただ、基本的にオッズが安い(たくさんの人が買っている)馬券と言うのは、的中率も比例して高くなる傾向があるので、穴目だけ狙うよりは安定して利益を積み上げることができます。
均等払い戻し買いは一つの馬券として判断
均等払い戻し買いは一つの馬券として判断することができます。
- 1-4 4倍 ×1000円=4000円
- 1-5 8倍 ×500円=4000円
- 1-6 20倍 ×200円=4000円
- 1-7 36倍 ×100円=3600円
- 1-8 40倍 ×100円=4000円
- 賭け金1900円
先ほどの均等払い戻し買いのオッズ例を見るとわかりますが、当たった時の払い戻し額がほぼ同額ということは、馬連流しで買ったこの馬券が一つの馬券ということに置き換えることができます。
その時に大事なのは合成オッズです。
例の部分で見ると賭け金が1900円に対して払い戻しが4000円(3600円の場合も)なので、単純計算すると合成オッズは2倍前後になります。
1900円で約2倍の馬券を買っているのと同じ意味になるので、単利運用の場合には的中率が50%でおおよそ±0です。
予想の精度にもよりますが的中率が高ければ高いほど1よりも大きい期待値が積み上げられるので、均等払い戻し買いは安定して勝つことができます。
そのため、複利運用に非常に向いている資金配分です。
もう少し掘り下げると合成オッズが約2倍ということは実際には的中率60%以上欲しい計算になるのですが、安い買い目を削るとどうなるのでしょうか?
- 1-4 4倍 ×1000円=4000円
- 1-5 8倍 ×500円=4000円
- 1-6 20倍 ×200円=4000円
- 1-7 36倍 ×100円=3600円
- 1-8 40倍 ×100円=4000円
- 賭け金1900円
この1-4のオッズが安いので削除した場合は、
- 1-5 8倍 ×500円=4000円
- 1-6 20倍 ×200円=4000円
- 1-7 36倍 ×100円=3600円
- 1-8 40倍 ×100円=4000円
- 賭け金900円
賭け金900円に対して払い戻しが約4000円(3600円)になるので、単純計算で合成オッズは約4.3倍になるかと思います。
先ほどは約2倍の合成オッズだったのに対し、1ー4の買い目を削るだけで4.3倍になるということは、的中率は25%以上あれば期待値はプラスです。
合成オッズから逆算すると1-4の馬券だけで25%以上の的中率が下がるかどうかがポイントとなり、一つの買い目を消しただけでそこまで下がるとは考えにくいので、安いオッズを切ることによって合成オッズが高くなり、より利益を求められる買い方になったことがわかります。
合成オッズについてわからない方は、こちらからご覧ください。
他券種混合の場合は馬券の資金配分に注意が必要
均等買いや均等払い戻し買いについて少し理解できたところで、色々な券種と混合して買う場合について考えてみたいと思います。
馬連なら馬連、ワイドならワイドという風に同一券種であれば関係無いですが、私の場合も単勝とワイドを併用するので、資金配分には注意を払っています。
他券種混合で買う場合は均等払い戻し買いであればそこまで問題はないのですが、一括で均等買いするのは絶対にNGです。
それぞれの券種で1通りずつ買った場合の例題を出してみますが、
- 複勝 1.5倍 ×100円
- 単勝 2.5倍 ×100円
- 馬連 14倍 ×100円
- 三連複 32倍 ×100円
- 三連単 114倍 ×100円
- 投資金額500円
このように5点の券種を均等買いで買った場合は均等買いのデメリットでも話したようにトリガミが出てしまいます。
ただ、先ほどのトリガミとは意味合いが大きく違っていて券種によって的中率に大きな差があるので、先ほどの同一券種内でのトリガミと違って、大きく期待値を落としています。
最も大きな問題点としては高難易度の三連単と一番当たりやすい複勝が同一金額のため、利益を出すためには高難易度の馬連、三連複、三連単が的中が必要となり、複勝と単勝が不要な券種になっているためです。
先ほどのオッズ例を払い戻し均等買いで買うとこのようになります。
- 複勝 1.5倍 ×7600円(11400円)
- 単勝 2.5倍 ×4500円(11250円)
- 馬連 14倍 ×800円(11200円)
- 三連複 32倍 ×400円(12800円)
- 三連単 114倍 ×100円(11400円)
- 購入金額13400円
ただ、この場合は複勝や単勝のオッズが低すぎるために合成オッズで1を割っていることになりますし、他券種混合なので実際に当たる時は複勝とどれかが複合して当たる可能性があります。
そもそもこのような複勝オッズや単勝オッズを買う場合は1点買いなどが基本になるので、他の券種と複合させること自体危険ですが、均等買いと均等払い戻し買い以外にもう一つ資金配分の方法があります。
任意で賭け金を変える傾斜買いとは
傾斜買いというのは言葉の通りに賭け金に傾斜(段階的な差)を付けることを言います。
色々調べてみると均等払い戻し買いを傾斜買いと言う場合もあるようですが、ここでは任意で賭け金を変えることを傾斜買いとして説明します。
傾斜買いの特徴としては賭け金を任意に変化させることですが、変化させる時の基準としては予想の自信度が主になると思います。
- 複勝 1.5倍 ×7600円(11400円)
- 単勝 2.5倍 ×4500円(11250円)
- 馬連 14倍 ×800円(11200円)
- 三連複 32倍 ×400円(12800円)
- 三連単 114倍 ×100円(11400円)
- 購入金額13400円
先ほどの均等払い戻し買いを例に取ると、買おうとしている馬が圧倒的な強さで1着濃厚な場合は傾斜買いで買った方がいい場合もあります。
ここでは例として本命馬券を買うことを想定とします。
- 複勝 1.5倍 ×25000円(37500円)
- 単勝 2.5倍 ×8000円(20000円)
- 馬連 14倍 ×1200円(16800円)
- 三連複 32倍 ×600円(19200円)
- 三連単 114倍 ×200円(22800円)
- 購入金額35000円
複勝のオッズが低すぎるせいか少しわかりにくいかもしれませんが、馬券を買う馬の自信度によって複勝を厚くして他の券種をボーナスのようにする方法もあります。
傾斜買いのポイントとしては、予想してもの精度に合わせて金額を変化させるのですが、当たりやすい馬券に大きく賭けるのがコツになります。
当たりやすい馬券に大きく賭ける賭け金全体がデカくなりすぎる場合は、安いオッズを切るのがおすすめです。
少額で馬券を買う場合はどうすればいいのか?
競馬初心者の方や資金が無い方、私含めておこづかいサラリーマンの場合は潤沢な競馬資金が用意できない場合があります。
まず根本的に競馬含めてギャンブルの大半は資金がある方が有利です。
その理由としては資金があると均等払い戻し買いや傾斜買いなど、オッズや状況に応じて金額を変化させられますが、資金が少ない場合は均等買いや1点買いが中心になってしまいます。
ただ、資金が無くても勝てますし資金管理のポイントがわかっていれば少額競馬でも十分戦えます。
競馬初心者の方は特に資金があったとしても、少額競馬から競馬の勝ち方を学んでから金額を上げることをおすすめします。
まず少額競馬の場合は金額にもよりますが、選択肢は均等買いか傾斜買い、1点買いのどれかになります。
均等買いのところでも書きましたが、一番やってはいけないことは難易度が極端に離れている券種を一緒に買うことです。
1レース500円使えるとして最大5点の馬券が買えますが、複勝と単勝と三連単3点のような極端な買い方をしていると必ず負けます(競馬資金の破産)。
少額投資のポイントとしては、
- 同一券種を均等買いで買う
- 同系統の単系と複系を傾斜で買う(おすすめ)
- 複勝か単勝1点もしくは単勝多点(傾斜)
の3つが現実的かなと思います。
同一券種での均等買いであれば少しギャンブル要素が強いですが、本命よりで的中率が高いか、穴狙いで安い買い目を消すことによって勝負になります。
また同系統の単系複系は、単複や馬連と馬単、もしくは少し違いますが馬連とワイドもいいですし、攻めた三連複と三連単も買える点数にもよりますが非常に攻撃的でいいと思います。
低難易度と高難易度が混ざった少額投資の場合は、高難易度の的中によって収支が左右されやすいので、同じような難易度の券種でまとめるのがポイントです。
もし少額で複利運用する場合に重要となる競馬資金の破産についても、合わせてご覧ください。
馬券の資金管理 均等買いと均等払い戻し買い まとめ
馬券を購入する時の資金配分について簡単に書きましたが、少しはわかっていただけたでしょうか?
均等買いと均等払い戻し買いのメリットデメリットをいくつか上げましたが、どちらを使っても正解ですしどちらでも勝つことはできます。
ただ、それぞれの特徴をしっかり理解していると、より有利に競馬を楽しむことができるので、今一度自分の資金配分について見なおすキッカケになればと思います。
今回の記事をまとめると、
- 均等買いは荒れ待ち、ギャンブル要素強い(単利運用向き)
- 均等払い戻し買いは安定、配当は低め(複利運用向き)
- 他券種混合で買う場合は、均等払い戻しか傾斜買い
- 少額競馬は同難易度の券種で均等買いか傾斜買い