競馬場のコースや特徴を勉強しよう 小倉競馬場編
今回はローカル競馬場の中でも個人的に相性のいい小倉競馬場について、簡単に解説していければと思います。
比較的荒れる傾向の強い小倉競馬場ですが、しっかりと特徴や傾向を掴むことによって得意な競馬場にしていきましょう。
小倉競馬場の特徴
小倉競馬場と言えば福岡県にある一番南にある競馬場です。
小倉競馬場の開催は冬の2月開催(一回目)と夏の8月開催(二回目)の年に2回あり、開催の間隔があるのでしっかりと芝も生育されるのが特徴です。
芝の特徴としては一回開催の後に芝の張替えを行い、8月開催に向けて芝を生育させるのですが、競馬場の場所が九州と言うこともあり気温も高く芝はよく育ちます。
芝の状態が全競馬場の中でも上位に入るほど良く、開催が進むにつれてコース内側の芝も他の競馬場に比べると傷みにくく、開催を通して良好な状態が多い印象を持ちます。
それともう一つの特徴はローカル競馬場の中でもコース幅が広く、Aコース、Bコース、Cコースとコースを使い分けることもできるので、より芝の状態はいい状態に保たれやすいです。
また、コース全長は福島競馬場の次に小さい競馬場で、第3コーナーから第4コーナーにかけてスパイラルカーブになっているため、速い速度のままコーナーを曲がってゴール前の直線に進出してくることも大きな特徴の一つです。
小倉競馬場 芝コース解説
小倉競馬場の芝コースは4つの設定があり、レースの番組編成も芝レースが非常に多いのが特徴です。
芝レースが多いということで芝の耐久性が重要になるのですが、小倉競馬場はエクイターフと呼ばれる耐久性に優れている野芝を使っているので丈夫な馬場になっています。
馬場が丈夫と言われると堅そうに思われますが、開催1か月前ぐらいになるとシャタリングとバーチドレンを行い馬場の柔らかさを保つようにしています。
馬場が柔らかいということはスピードが出ない馬場でパワーも必要な馬場になるのですが、これから解説するコース形態やスパイラルカーブの影響でスピードは速くなりやすいのが特徴です。
また、九州にある競馬場ということで大雨やスコールなどの対策として暗渠菅も入っています。
小倉 芝1200M
小倉芝1200Mは小倉2歳Sや北九州記念が行われるスプリントレースです。
コースの高低差を見てもらえればわかりますが、一番高い位置から下るコースになっているので序盤のペースは速くなりやすい特徴があります。
他の競馬場でも芝1200Mはありますが、小倉競馬場は他の芝1200Mよりも最初のコーナーまでの距離が長いことがポイントです。
最初のコーナーまで長いということは枠による影響が少なく、外枠からでも先行を取りたい場合は内枠にプレッシャーをかけながら競りかけることもできます。
ペースに関しては最後の直線が他の競馬場よりも短いこともあり、逃げ先行馬がそのまま流れこむことも多いですが、序盤のペースが極端なハイペースになってしまって差し追い込み馬決着も多々見られます。
ペースを管理するのが難しいコースなので、前半のペースを予測して先行馬か差し馬のどちらを狙うかをしっかり見定めましょう。
CBC賞 GⅢ 3歳以上オープン ハンデ
- 2021年7月4日(日曜) 3回小倉2日 曇り 良
- クッション値 9.8 含水率 ゴール前8.2% 4角9.7%
- レースラップ 11.6 – 10.0 – 10.7 – 10.9 – 11.1 – 11.7
- <32.3-33.7>
- 勝ち馬 3.ファストフォース 牡5 52.0 1:06.0 ①-① 33.7 レコード
小倉 芝1800M
小倉芝1800Mは小倉大賞典で使われるコースです。
最初のコーナーまで距離が短めなことと第1コーナー手前から上り坂になることから、比較的スローペースからミドルペースになりやすいという特徴があります。
コース形態的にも第二コーナーから下り坂になるので、逃げ先行馬がそのまま勝ちやすいコースというのは間違いありません。
ただ馬場による影響も非常に大きく開催が進んできて馬場の内側が傷んでくると、逃げ、先行馬が圧倒的に有利なコース形態ですが、トラックバイアス的にどんどん不利になっていきます。
結果的に差しに有利な馬場になってくると差し馬や追い込み馬が勝つパターンも多いので、コース形態よりもトラックバイアスを優先に考えることが重要になってきます。
枠順に関してはコーナーまでの距離が短いので、外枠の馬が第1コーナーから外を回らされてしまい距離的に不利になります。
外枠でも好走しやすいパターンとしては差し、追い込み馬が勝ちやすいハイペースの状況は当然ですが、馬場や天候によって時計のかかる馬場になってくるとペースがミドルぐらいであっても前が総崩れになることがあります。
それだけ小倉の芝は緩くパワーが必要になるということです。
鳥栖特別 4歳以上1勝クラス定量
- 2021年2月28日 2回小倉6日 晴れ 稍重
- クッション値9.0 含水率 ゴール前9.7% 4角9.8%
- レースラップ 12.8 – 12.6 – 12.9 – 11.2 – 11.4 – 11.7 – 12.0 – 12.0 – 12.3
- 勝ち馬 8.ニホンピロスクーロ せん4 56.0 1:48.9 ②-②-③-④ 35.9
壇之浦ステークス 4歳以上3勝クラス(混合)(特指)定量
- 2021年3月7日 2回小倉8日 曇り 稍重
- クッション値9.1 含水率 ゴール前9.4% 4角8.6%
- レースラップ 12.5 – 11.9 – 12.1 – 11.9 – 11.8 – 11.9 – 11.8 – 11.9 – 12.0
- 勝ち馬 11.マイネルウィルトス 牡5 57.0 1:47.8 ⑥-⑥-⑥-③ 34.7
小倉 芝2000M
小倉芝2000Mは小倉記念が行われるコースです。
小倉芝1800Mよりも後方のポケットからのスタートで、最初の直線までが長いためペースが速くなりやすい特徴があります。
ペースというよりも厳密にはテンの3Fが速くなりやすく、コーナーに入るまでの先行争いが激しくなるパターンが多い印象です。
小倉競馬場の特徴として芝の状態が良好で高速馬場のことが多いので必然的に前が残りやすいと考えるのが普通ですが、小倉芝コースで比較的差しや追い込み馬が好成績なのがこのコースの特徴です。
最後の直線が短いのは他の小倉芝のコースと同様ですが、特に芝2000Mは早い段階からの仕掛けが多く、ロングスパート戦になりやすいことも覚えておきましょう。
早い段階での仕掛けが多いということはカーブを曲がりながら加速するということなので、コーナリング性能が高いことが必然的に求められるコースです。
もう一つ重要なポイントとして近年小倉競馬場は馬場を柔らかくすることに注力しており、以前よりも高速馬場では無いことが多くなっています。
前が残りやすい条件として高速馬場も重要な要素の一つになるので、馬場が高速馬場かどうかの見極めも合わせて確認しましょう。
逃げ馬が逃げ切れないということは相対的に見ても、後方馬にチャンスが多いレースですので、まずはペースが速くなるか遅くなるかを考えて予想をしていきましょう。
日田特別 4歳以上1勝クラス牝定量
- 2021年2月27日 2回小倉5日 曇り 稍重
- クッション値8.9 含水率 ゴール前11.4% 4角11.0%
- レースラップ 13.3 – 11.9 – 12.7 – 13.1 – 12.5 – 12.3 – 12.0 – 11.9 – 11.7 – 12.0
- 勝ち馬 12.ジャルジェ 牝4 54.0 2:03.4 ⑤-⑤-④-⑥ 35.0
八代特別 4歳以上2勝クラス(混合)(特指)定量
- 2021年3月6日 2回小倉7日 曇り 稍重
- クッション値8.5 含水率 ゴール前11.2% 4角10.5%
- レースラップ 12.4 – 11.5 – 12.8 – 13.5 – 12.9 – 11.7 – 11.7 – 11.5 – 12.0 – 12.1
- 勝ち馬 8.ジェットモーション せん5 57.0 2:02.1 ⑤-⑤-⑧-⑦ 34.9
小倉 芝2600M
小倉で開催される芝のコースで最長の距離になっています。
スタート位置は向こう正面の下り坂の途中からになるので、ペースが速くなるのかと思うと長距離特有のゆったりとしたペースで進むことが多い印象です。
出走メンバーによってハイペースの場合もあるので出走メンバーにも注目ですが、基本的にはスローペースかミドルペースが多いことも覚えておきましょう。
成績で見ても基本的には先行馬有利なことには変わりないですが、長距離レースということで騎手の手腕と競走馬のスタミナが非常に重要なポイントになります。
稲佐山特別 4歳以上1勝クラス定量
- 2021年3月7日 2回小倉8日 曇り 稍重
- クッション値9.1 含水率 ゴール前9.4% 4角8.6%
- レースラップ 13.5 – 12.3 – 12.4 – 12.4 – 12.7 – 12.9 – 12.9 – 12.4 – 11.9 – 11.9 – 12.0 – 11.8 – 12.8
- 勝ち馬 9.ウインベイランダー 2:41.9 ②-②-②-② 36.5
小倉競馬場 ダートコース解説
小倉競馬場のダートコースは3つの設定があり、ダートレースの番組数はそこまで多くありません。
ただ小倉競馬場のダートには1000Mという短距離があり、小倉競馬場ならではの短距離レースが個人的には気に入っています。
小倉ダートの特徴としては九州まで遠征してくるので長期滞在になる場合も多く、調教自体を小倉競馬場で行うことがあります。
そのためダートには定期的に凍結防止剤を散布しており、他の競馬場よりもダートの馬場が変わることが多い印象があります。
小倉 ダート1000M
小倉ダート1000Mは下りながらの短距離レースのため、スピードがものを言うレースになります。
最初のコーナーである第3コーナーまでの距離が長く先行争いが激化しやすい特徴があり、ハイペースのまま隊列が変わらずゴールまでそのままが多く感じられます。
枠順に関しても内枠が有利に感じやすいですが、外枠の馬もスタート直後から先行争いに参加してくるので、テンが遅い内枠の馬はすぐに被されてしまいます。
枠順成績だけで見てみると内枠の馬は少し成績が下がっていて、外枠の方が成績がいいです。
その理由として外から被されることもありますが、内枠の馬は1000Mという距離のせいなのか、無理に先行しようとしてオーバーペースになってしまい、結果的に脚が上がるパターンが多いです。
狙うべきはテンの早くて先行力が高い馬、それに加えてスタートが得意な騎手や先行意識の高い騎手が重要になってきます。
スピードに長けていてスタートが良いことを特に重要視していきたいですね。
小倉 ダート1700M
小倉ダート1700Mはハイペースになりやすいコースとして有名です。
その理由としては最初のコーナーまでの距離が長く、先行争いが激しくなりやすいことが挙げられます。
ただ小倉のダート1700Mの特性上、下級条件で開催される場合は基本的にはスローペースが多いと感じます。
ただ、クラスが上がるにつれて先行意識の高い馬が集まってくるので必然的にハイペースになりやすく、逃げや先行馬にとって厳しい流れになりやすいからです。
レース傾向としては一般的なダートのように上がりのかかるレースになることが多く、前目に付けている馬がそのまま勝つパターンが非常に多い印象です。
また、凍結防止剤が撒かれた場合はより顕著にパワーが必要になってくるので、しっかりJRAのホームページから凍結防止剤の散布状況は確認しておきましょう。
上級クラスになればなるほど先行意識が高くハイペースになりやすいことは、最低限覚えておきましょう。
早鞆特別 4歳以上2勝クラス(混合)定量
- 2021年2月27日 2回小倉5日 曇り 不良
- 含水率 ゴール前17.6% 4角16.3%
- レースラップ 7.0 – 11.0 – 12.1 – 12.9 – 12.1 – 11.7 – 11.6 – 12.0 – 12.6
- 勝ち馬 16.ホッコーアカツキ 牡4 56.0 1:43.0 ③-④-②-③ 36.1
ネモフィラ賞 3歳1勝クラス(混合)(特指)馬齢
- 2021年2月28日 2回小倉6日 晴れ 重
- 含水率 ゴール前14.1% 4角14.6%
- レースラップ 7.2 – 11.1 – 11.7 – 12.5 – 12.1 – 12.3 – 12.2 – 12.8 – 13.4
- 勝ち馬 2.ランスオブアース 牝3 54.0 1:45.3 ③-③-②-② 38.2
由布院特別 4歳以上2勝クラス(混合)ハンデ
- 2021年3月7日 2回小倉8日 曇り 重
- 含水率 ゴール前12.4% 4角12.4%
- レースラップ 7.1 – 10.6 – 11.3 – 12.7 – 12.2 – 12.0 – 12.2 – 12.5 – 12.9
- 勝ち馬 2.イプシランテ 牡4 55.0 1:43.5 ①-①-①-① 37.6
小倉 ダート2400M
小倉で開催されるダートコースの中で最長の距離なのが、小倉ダート2400Mです。
年に数回程度しか開催されない珍しいコースなのですが、ダート1700Mと同様にスタート直後の先行争いは激しくなる傾向です。
ダートの長距離の場合はパワーが必要なことも関係しますが、全馬がバテ気味になることが多く、下り坂の影響で後方馬が脚を溜められていても結局前残りになるレースだと思っています。
もし、スタートが遅れていてもコーナーを6つ回ることと、高低差の変化によってラップも大きく変動するため枠順やスタートの良さによる影響は少ないと考えています。
小倉競馬場 トラックバイアス傾向
小倉競馬場のトラックバイアスの傾向として、今までの小倉の芝と言えば路盤が堅いと言われていましたが、最近では強くエアレーションをかけることによって路盤が緩めに作られています。
小倉の開催時期も冬開催と夏開催の2回開催なので芝の養生にかける時間が他の競馬場に比べてしっかりとれるため、あえて芝の路盤を緩めに作っているように感じます。
路盤が緩いということは本来時計が出ない馬場ですが、小倉芝1200Mのように下りながらのスパイラルカーブにより、時計自体は早く出てしまいます。
スピード決着には変わりないですが、路盤が緩くスピード馬一辺倒ということにはなりにくいので注意が必要です。
芝コースはスタミナが最重要ポイント
小倉競馬場の緩い路盤から求められる能力として短距離にしろ長距離にしろスタミナという部分は重要になってきます。
馬場が他の競馬場の芝コースよりも緩いということはパワーが必要になるのですが、コース形態的に時計が早くなりやすく「走りにくいのに下り坂で速度が出る」という現象になりやすいコースです。
比較的ハイペースになりやすいコースが多い小倉芝ですが、ミドルペースぐらいのペースが落ち着いた場合でも、スタミナの無い競走馬は緩い路盤の影響でゴール前に脚が上がることが多い印象です。
それだけ小倉の芝が緩いと馬への負担が大きいということです。
高速馬場によって前が残るケースもあるのですが、小倉競馬場で前が残っているのは馬場による影響よりも先行馬のスタミナで残っているケースの方が多く見られます。
特に馬場の傾向と馬の能力値を比較して、適切なトラックバイアスを見つけていきましょう。
時計の出やすい競馬場であることには変わりないですが、緩い馬場でも苦にしないパワーとスタミナも重要と言うことですね。
小倉競馬場の特徴とトラックバイアス傾向 まとめ
小倉競馬場について簡単にまとめてみましたが、基本的には時計が速くなる決着が多い競馬場です。
ただトラックバイアスでも言いましたが、小倉芝の特徴として時計が速くなるけど馬場は緩く走りにくいことが多いとぜひ覚えておきましょう。
狙い目にしても逃げ先行馬が粘って勝つことも多いですが、高配当になるのは差しや追い込み馬が勝つ場合によく見られます。
どのコース形態にしても過剰なハイペースになる危険性があるので、出走メンバーから過剰なハイペースになる可能性があるのであれば、差し、追い込み馬から狙ってみるのも面白いかもしれません。
他の競馬場についてはこちらからご覧ください。