競馬初心者でも分かる調教の狙いと評価 基本の基礎知識編

2021年2月4日調教トラック調教, 坂路調教, 狙い, 評価, 調教, 追い切り調教, 坂路調教, 狙い, 評価, 調教, 追い切り

馬 顔面
竹之内
竹之内
どーも、竹之内です。
今回は調教の見方について、いくつかの記事に分けて解説していくつもりです。
調教といっても調教の種類やタイムなどから分かる情報など、色々な情報が手に入ります。
そこで今回は基礎知識ということで、調教の基本の部分に焦点を当ててみようと思います。

調教の基本を学んでみよう 調教から読み取れる情報とは

競馬で調教と聞くと最終追い切りの見方や評価の仕方を知りたがる方が多いですが、競馬初心者の方が調教を予想ファクターとして取り入れるためには基礎知識が最も重要です。

私の場合はもちろん最終追い切りの映像やタイムも見ますが、一番重要視するのはレースとレースの間での調教内容が今までの調教パターンと違いがあるかに注目しています。

特にストック馬として能力があるのに負けた馬を追っている場合は、前走の時と調教内容の変化やタイム差を比較することによって、調子を落としていないかを見極めることができます。

また調教という予想ファクターはメインで使うこともできますが、他の予想ファクターと組み合わせれば前走から今回のレースに向けての調整度合いの確認にも大いに使えるものです。

予想ファクターの調教としての特徴として、

  • レース間の調教内容から仕上げの度合いが分かる
  • 調子を落としていないかなど、パドックのように調子や気合の確認で使える
  • 調教内容によって怪我や問題が発生しているかが分かる
  • 調教タイムから成長度合いが見極められる

などに使える優秀な予想ファクターだと感じています。

竹之内
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調教の基本を学ぶことは情報過多の時代には重要で、調教評価も人によって様々です。
特に調教の場合は無料で見ることが難しく調教情報を発信しているブログや競馬新聞を見たとしても、調教の基本を知らないとうまく馬券に繋げることができません。
まずは、調教の基本を押さえていきましょうね。

調教の種類とは

調教というのは簡単に言うとトレーニングです。

よく追い切りなどで調教と言われているのは襲歩(ギャロップ)と呼ばれる、馬が一番早く走れる走法(レース中の走法)で走っているトレーニングが、調教欄に載せられています。

実際にはそれ以外にも色々なトレーニングの種類があり、

  • 引き運動(パドックのように、手綱を引いて馬を歩かせるトレーニング)
  • 乗り運動(ゲートまでの移動のように、人が馬に乗って歩くトレーニング)
  • キャンター(返し馬のように、ギャロップよりも遅い速度で走るトレーニング)
  • プール調教(脚への負担を最大限に軽減しながら、心肺強化や筋力UPのトレーニング)
  • 追い切り(一般的に調教欄に載る、トラックや坂路などをギャロップで走るトレーニング)

が一般的なトレーニングの種類です。

引き運動や乗り運動はウォーミングアップなどで行われる調教で、基本的に毎日行われるトレーニングになります。
ただのウォーミングアップとして使うのではなく、歩様(歩き方)の確認をしながら脚部の状態も見られるので非常に重要な調教の一つになります。

キャンターは軽い速度で走るトレーニングのため、追い切りで過酷なトレーニングをして仕上がった場合に、調子を整えるため軽めの調教をする場合や、怪我や休養明けの最初に行ったりする調教です。

プール調教脚部に筋力の向上やクールダウン、または脚部に不安がある馬が筋肉を維持させるために使われる調教で、休養で馬体重が増えすぎた場合やリフレッシュの目的で使ったり様々な狙いがあります。

追い切りは調教映像を見たことある方ならわかるかと思いますが、競馬場と同じようなダートや芝、後述するウッドチップやニューポリトラックなどのトラック調教や坂路と呼ばれる坂を駆け上がる調教が追い切りと言われていて、この追い切りの調教内容が競馬新聞やインターネットの調教欄に記載されます。

走法についての違いについて、こちらの記事も合わせてご覧ください。

調教の追い切り本数からわかるポイント

ここで追い切り以外の調教の種類についてなぜ解説したのかと言うと、調教で新聞やインターネットに掲載されるのは、1F(200m)15秒よりも早い調教だけが掲載されるからです。

レースからレースの間でどのような調教を行っているかによって調子や仕上がり具合がわかるのですが、長い期間追い切りとして調教欄に書かれていなければ、キャンタ―や乗り運動、プールなどの軽めの調教だけをやっていると推察できます。

いつもは定期的に追い切りの本数を増やしているのに、追い切りの本数が少なくなっている場合は、

  • 仕上がっているので軽めの調教
  • 脚部不安などの不安事項が出てきたため

などが予測できます。

怪我や調子が悪い場合は程度によって出走取り消しになることもありますが、多少の不安であればそのまま出走することの方が多く、勝つことが目的ではなく叩くことが目的の場合もあります。
その場合は厩舎によっての調教パターンなどから普段と違う調教パターンに変わった、または追い切りの本数が少ないことが追い切り本数から読み取れる情報です。

いつもと違う調教内容や追い切り本数が少ない時は、馬体や馬体重など特に注目してみましょう。

また追い切りの本数が多い場合、

  • 例えば休養明けで追い切り本数が多い場合は、増えすぎた馬体重を減らそうとしている可能性
  • 怪我の長期休養上げで追い切り本数が多いのであれば、怪我の不安は無くなっている可能性

など色々なことが予測できます。

竹之内
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調教の種類や追い切りとして調教欄に書かれる条件が1F15秒を切る場合など、調教の基本をしっていないとわからない情報です。
こういうちょっとした基礎知識を知っているかどうかによって、馬券収支に少しずづ影響が出てくるので、何事も基本が大事ということですね。

また、追い切り本数や強度と馬体重を組み合わせると、万全の体制でレースに挑んできているか調整に苦労したかがわかります。

馬体重についての記事も興味があれば、合わせてご覧ください。

追い切りが行われる調教コースの種類とは

馬 枠

追い切りというのは1F15秒を切る速度で行われる調教のことですが、競馬場で行われる芝とダート以外にも色々な種類の調教コースが存在します。

ここではそれぞれの調教コースの特徴について解説していこうと思います。

トラック調教で使われるコース

トラック調教とは実際の競馬場のように楕円状になっているコースを使った調教で、栗東トレセン、美浦トレセン共にたくさん使われている調教です。

トラック調教の最大のメリットは実際のレース同様にコーナーを曲がりながら調教ができる点と、しっかりと折り合いをつけさせる、手前替えを教えるなど色々な狙いで行われます。

トラック調教の種類としては、

  • 芝コース
  • ダートコース
  • ウッドチップコース
  • ニューポリトラックコース

の4種類があり、それぞれの特徴について簡単にまとめていきます。

芝コース

芝コースは実際のレースで使われる芝と同等のもので、トレセンにより芝の種類が変わります。

  • 美浦トレーニングセンター 洋芝
  • 栗東トレーニングセンター 野芝(冬はオーバーシード)

となっており、それぞれのトレセンで行われる芝コースの調教の馬場が違うため、この違いによって所属する厩舎が栗東か美浦かによって狙える条件が違ってきます

芝コースで行われる調教は実際のレースと同等の馬場を使っているため、実戦形式での調教が行われるメリットがあるのと、初めての芝への適性を確認する場合にも使われます。

芝コースを調教で使うデメリットとしてはスピードが出やすい芝ということで、当然馬場からの反発力も強く、脚への負担は強くかかってしまいます。
最近の傾向として脚への負担を極端に嫌うので、今は芝コースで追い切りというのはあまり見られないです。

竹之内
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栗東や美浦の芝の違いによって走りやすさに大きな違いがあるので、それぞれの調教タイムを比べる時は注意するのはもちろん、芝の種類による適性も加味して調教を評価していきましょう。

ダートコース

ダートコースも芝コース同等、実際にレースで使われるコースなので、初めてダートを走る馬の適性を見る上で使われますし、脚への負担も芝コースよりも少ないことがメリットです。

ダートコースを使った調教のデメリットとしては良馬場であれば、砂のクッションによって脚への負担は芝に比べれば少ないですが、雨などで水分を含んだ場合は芝よりも馬場が堅くなってしまいます。
その場合には調教で使われるコースの中で一番堅い馬場になってしまい、最も脚に負担のかかる調教コースになるので各調教師の方は嫌う傾向です。

ウッドチップコース

ウッドチップとは言葉の通り、木の木っ端を路盤に引いたもので、現在のトラック調教で最も使われているのが、このウッドチップコースです。

最大のメリットはウッドチップが満遍なく敷き詰められているので、クッション性が非常に高く脚への負担を最大限に減らすことができるという点です。
もう一つのメリットはクッション性が高いが所以に、調教時のスピードを抑えられるので安全に調教を行うことが可能となります。

ただウッドチップは元々は木なので雨による影響を受けやすく、別記事にて紹介予定の調教タイムに大きく影響を与えます。
正しい調教タイムで比較するのであれば、調教時の天候はもちろんウッドチップ馬場の水分含有量も非常に重要なポイントです。

ニューポリトラックコース

ニューポリトラックとは比較的新しいトラック調教コースで、全天候型新素材(電線被覆材、ポリウレタン、ポリエステル、ワックスなどを混ぜたもの)と呼ばれる天候による影響を受けにくいものが使われています。

今までのトラック調教の場合には雨によって芝、ダートの馬場が荒れて締まってしまい、路盤が堅くなることが懸念材料となっていました。
それに加えてクッション性の高いウッドチップコースの場合も雨によってクッション性が損なわれてしまうため、海外の競馬場でも高評価のニューポリトラックが日本でも導入されています。

ニューポリトラックのクッション性の高さはウッドチップコースと同等程度と言われているので相当クッション性が高く脚への負担が軽減されますが、スピードがでやすい特性もあるので追い切りとして使う厩舎は限られています。

竹之内
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基本的に追い切りが行われるのはウッドチップコースが一番多く、雨によりウッドチップのメリットが少なくなってきた場合にニューポリトラックコースを使う厩舎が多いですね。

坂路調教の効果と種類について

坂 

トラック調教で使われるコースについては栗東トレセン、美浦トレセンそこまで違いはありません。

距離の違いやタイムの違いなどの詳細については、次回に公開する調教の記事にて詳しく書きますが、坂路については栗東トレセン、美浦トレセンそれぞれに特徴や違いがあります。

また、最近の調教は坂路調教を必ず取り入れている厩舎が多く、坂路調教をやっていない厩舎を探す方が難しいです。

竹之内
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それと調教タイムについて言えば、坂路調教の場合は馬のトモの上辺りにバーコードが付いていて、自動的にタイムが計測されます。
そのため調教情報を出している媒体ごとにタイム差は無いのですが、トラック調教の場合には目視でストップウォッチによる計測になる点も覚えておきましょう。

現代競馬の常識になっている坂路調教の効果とトレセン毎の違いについて、まずは勉強していきましょう。

坂路調教の効果と狙いとは

坂路調教と言うのは文字そのままの意味で、坂を駆け上がる調教になります。

先述したトラック調教の場合は基本的に高低差のないコースを走っていますが、坂路調教は傾斜の影響で短時間で強い負荷をかけることができます。

強度の高い坂路調教は栗東トレセン、美浦トレセンともに800mで行われていて、

  • 坂を駆け上がるパワー
  • 短い距離でスピードを出す瞬発力

を強化することが狙いです。

メリットが非常に多いと思われる坂路調教ですが、坂路調教が多すぎると瞬発力やパワーを鍛えるだけの単純調教のため、折り合いの面が鍛えられないデメリットがあります。

竹之内
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基本的に坂路調教は坂を駆け上がることが目的の調教なので、先行馬や差し馬、追い込み馬のように「脚を溜める」ことが学べないです。
追い切りの本数やトラック調教と坂路調教の割合によって、厩舎が何を狙って調教しているかが見えてきますね。

美浦トレセンの坂路の特徴とは

美浦トレセンの坂路の特徴としては2つあり、

  • 左回りの坂路
  • 三段階の傾斜の変化

ということです。

まず左回りの坂路ということですが、後述する栗東トレセンの坂路は真っすぐの直線坂路です。
美浦トレセンの場合は左に回りながらの坂路になるので、左回りの競馬場に対しての適性が高くなるのは言うまでもありません。

もう一つの三段階の傾斜については機械による計測スタートするスタートラインから、

  • 前半400mは0.625%の勾配
  • そこから350mは3%の勾配
  • ラスト50mは4,68%の勾配

になっており、段階的に負荷が強くなるのが特徴です。

馬場に関してはウッドチップを使っているのですが、2014年の改修時にさらに細かいウッドチップに変更されました。

その影響からより負荷の強い坂路になったので、坂路の調教ラップを見る際は段階的に傾斜がきつくなっていても加速ラップを踏めているかがポイントになります。

竹之内
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全体時計でみると54秒前後が基準になるのですが、全体の時計よりもしっかりと加速ラップを踏めているかに注目して評価する方がわかりやすいと思います。最後の1F ラップは12秒前半が基準ですね。

栗東トレセンの坂路の特徴とは

栗東トレセンの坂路と言えば最も勝率が高く、最終追い切りで栗東坂路を使っているだけで狙えると言われているコースです。

美浦トレセンと違い直線の坂路になるのですがコース幅が狭く、人気の調教コースのため、たくさんの競走馬が入り乱れているのも特徴です。
たくさんの馬に囲まれながらの坂路調教になるので、実際のレースのように他頭数に強くなりやすいという特徴もあるので、ここはぜひ覚えておきましょう。

栗東トレセンの坂路の傾斜は二段階で、

  • 前半230mは2%の勾配
  • 後半の570mは3.5%の勾配

となっていて、最大勾配は美浦トレセンの方がありますが、美穂と同じウッドチップで全体的に常に勾配がかかっているため、負荷の強さで見ると栗東の方が強いと感じています。

竹之内
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調教タイムで見る場合は調教ラップで加速ラップを踏めているかが最も重要ですが、全体時計で見ると美穂坂路よりも1秒早い53秒前後が目安となります。50秒を切る馬もためにいますが、それはかなり早い時計と言えますね。

美浦、栗東トレセンに共通することですが、ウッドチップの特徴として雨による影響を受けやすいので調教タイムに注意するのと、ウッドチップの入れ替えによってもタイムが大きく変わってくるので注意しましょう。

ダートの良馬場のように入れ替え初期は脚がとられるので、当然タイムは遅くなります。

調教欄の見方と評価のポイント

ここからは調教欄の見方とそこから読み取れる情報、その情報からの評価について勉強してみようと思います。

まず調教欄が書かれているのは競馬新聞やJRA-VANやnetkeibaなどの有料会員でしか見ることができません。
今回の記事で調教に興味を持った方やたまに競馬新聞を参考程度に購入しようと考えている方に向けて、調教欄の評価ポイントはしっかり押さえておきましょう。

調教時計の見方とは

調教欄を見る際に一番注目されている部分が調教時計、または追い切り時計と呼ばれる部分です。

競馬新聞やインターネットの媒体によって表記は変わるので、どこでも共通している部分についてここから解説していきます。

まず追い切り時計の表記として

  • 助手 CW重 84.8‐67.9‐52.4‐38.7‐12.6 8⃣ 馬なり

のように書かれていることが一般的です。

この文章が表す調教内容として左から

  • 調教した人
  • 調教コースと馬場状態
  • 調教タイム(6F-5F-4F-3F-1F)
  • 調教での通過位置(数字が小さいと内ラチ、大きいと大外)
  • 調教での馬の追い方(追い切りの強さ)

となっています。

調教した人に関しては基本的には助手の方が多いのですが、たまに騎手の方が乗ることがあります。

竹之内
竹之内
騎手が乗るということは色々な意味合いがありますが、基本的にはプラスと捉えましょう。
ただ騎手の方は基本的には助手の方よりも体重が軽いので、タイムは早くなる傾向があるので注意しておきましょうね。

その次の調教コースと馬場状態はそのままの意味合いですが、調教コースは略称のように短縮して表記されることが多いので、その辺の詳しい調教コース別については次回の記事にて解説させていただきます。

調教タイムはラップタイムと読み方は基本的には変わらなく、1F(200m)毎のタイムが表記されています。
調教タイムを記載いている媒体によりますが、5つの調教ラップしか掲載できるスペースが無い場合には、最後の1Fとスタートから記載できる分のラップタイムが優先して表記されます。

竹之内
竹之内
上記の場合は1200mの調教なので6F分の調教ラップがありますが、最大5つのラップを表記するところが多く、2F目が抜けていることに注意です。

ラップの見方については、こちらも合わせてご覧下さい。


次の調教の通過位置ですが、数字が1⃣だと内ラチ沿いで9⃣だと大外を回ったということになります。

当然内ラチ沿いの方がタイムは早くなり、大外だとタイムは遅くなりますが、実際の調教映像を見ないと完璧に調教タイムを比べたりすることは難しいと思います。
外を走っているのにタイムが速い場合は調教負荷が強く距離ロスがある状態ですので、高評価することができます。

最後の調教の追い方については長くなるので後述します。

竹之内
竹之内
また今回書いた調教時計というのはトラック調教の場合で、坂路の場合には調教時計の前に何回目の坂路調教のタイムなのかが記載されています。
坂路調教は2本以上走ることが多く、記載されるのは一番早い調教タイムということですね。

調教の追い方の種類について

女性騎手 

先ほどの調教時計の最後の部分、調教での追い方や強度について書いていきます。

主に追い方の部分は3つに分かれていて、

  • 馬なり
  • 強め
  • 一杯

で表記されます。調教を行っている馬の状態を競馬新聞やインターネット媒体などの調教担当者が見て評価しているものなので、見る人の評価によって変わってしまう部分です。

馬なりとは手綱を動かしていない、強めとは手綱を前後に動かしている、一杯とは精いっぱいに激しく追っている状態と判断することができます。

調教時計や調教ラップ含めて馬なりや強めなどで抜群の調教であれば高評価ですが、調教時計などは早いタイムを出そうと思えば出すことができます。
それよりも重要なのは、

  • 最終追い切りで毎回一杯で仕上げているのに、今回は馬なり
  • レース間の追い切りが強めや一杯が非常に多い

などのいつもと違う調教内容や強度に注目することです。

いつもよりも調教内容が強い場合には馬体重が絞り切れていない場合や、馬自身のやる気やレースに向かうスイッチが入っていないことが多く、調教内容が弱い場合には脚部不安または、完成して状態なので流しているということも考えられます。

竹之内
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調教の強度からも色々な情報が読み取れるので、いつもと違う変化に加えて調教時計との比較を中心的に見てみましょう。

単走調教と併走調教の違いと狙いとは

先ほどの調教時計のところで記載した追い切り時計は単走調教と言って、1頭で調教する場合はこのように表記されますが、併走調教と言って最大3頭(調教馬に加えて、併走馬2頭)で調教する場合もあります。

単走調教の場合は先ほどの追い切り時計のように、調教馬の情報だけが書かれていますが、併走調教の場合は、

  • 馬名(クラス)調教強度 〇秒追走(先行) 〇秒先着(遅れ)

など、調教時計と一緒に書かれています。

併走調教で見るべきポイントは併走した相手が誰なのか(格上、格下)が重要で、調教馬よりもクラスが上の馬との併走調教であれば、質の高い調教が出来ていると評価することができます。

それに加えて調教開始時に追走しているのか先行しているのかで、調教で狙っている内容も見えてきますし、ゴール時に先着したのか遅れたのかも評価のポイントになります。

単走調教の狙い

単走調教のメリット強度を任意に変えられることで、低強度や高強度など馬の仕上がりによって色々な調教をすることができるという点です。

馬の調教が仕上がっている場合には調整程度に流したいと思うはずですが、馬自体がレースに向けて闘争心も高くなっている場合、併走調教をすると強度が自然と高くなってしまいます。

それとは逆に併走されるとやる気を無くすような性格の馬の場合は、主に単走調教がメインになるのですが、併走調教ができない時点で基本的には馬ごみに入らない逃げ馬しか競走馬としての道が無くなってしまいますね。

竹之内
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実際に逃げ馬の場合は単走調教で逃げた場合を想定して調教することが多いので、単走でしっかりテンポよく走ることを単走調教で教え込むことが多いと感じています。

併走調教の狙い

併走調教とはレースのように馬に囲まれて走るので、非常に実践的な調教となります。

調教を評価するという点においても併走調教の内容が重要で、先行から始まれば先行脚質、追走から始まれば差しや追い込み脚質と簡易的に判断することもできます。

併走調教の場合には単走と違い併せ馬のペースに合わせて先行して抜かせない、追走してタイミングよく差し切るなどの折り合いが重要なポイントになります。
調教助手がやる場合もありますが、実際にレースに載る騎手が併走調教をする場合があり、レースを想定して馬の瞬発力や追い出すタイミングなどの能力を確認しているので、高評価です。

併走調教のゴール時の先着、遅れですが、馬自体の闘争心や負けたくないという気持ちの評価で私は使います。
特に新馬戦や未勝利戦の場合にはゴール前の粘りや抜かせないという馬の性格が重要になってくるので、先着する時点で高評価で問題ありません。

もし、遅れてしまった場合でも格上の併せ馬に対して遅れているのであればそこまで気になりませんが、調教馬が一杯で追っていて併せ馬が馬なりなどの場合は、少し疑ってみることも必要です。

竹之内
竹之内
調教馬場が荒れているなど調教馬の苦手としている馬場も大事になりますが、一杯におっていても追いつかないようであれば能力の面に加えて折り合いが付きにくい馬なのかもしれませんね。

血統について興味のある方は、合わせてこちらもご覧ください。

調教の狙い目と評価 基礎知識編 まとめ

今回は競馬における予想ファクター、調教の基本について書いてみました。

色々な部分を書いたのですが調教自体まだまだ奥が深いもので、基礎知識編として書いた以上にまだまだ勉強できる部分は存在します。

調教についての記事は今後も少しずつ書いていきますので、まずは調教を全く知らない方やあまり重要視していない方が、本記事を見て少しでも興味を持ってもらえると嬉しいと思います。

レースとレースの谷間で行う調教という予想ファクターはレースに向けて仕上がっているかを確認できる重要なファクターになりますので、ぜひ今後の予想の際にも取り入れてみてくださいね。

調教記事の続編、美浦トレセン編、栗東トレセン編も合わせてご覧くださいね。

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