ラップタイム入門編 ラップタイムからわかる内容とは
今回は馬の能力が数字でわかるラップタイムについて解説します。
ラップについては苦手意識がある方や、全然興味が無い方もいるかもしれませんが、ラップの読み方がわかればより深い予想ができることは間違いありません。
入門編、分析編、実践編の3部で公開しますので、まずは入門編ということでラップタイムの基本を覚えていきましょうね。
ラップタイムから見えるものとは
ラップタイムという言葉について聞いたことがある方もいるかもしれませんが、ラップタイムの説明から入りたいと思います。
競馬でいうラップタイムはレースの距離に関係なく、200m毎(1ハロン)の通過タイムのことを言います。
2020年9月13日に行われたGⅡ産経賞セントウルステークスは人気通りにダノンスマッシュが勝ったレースですが、JRAのホームページからレース結果を見ると、
ハロンタイム | 11.8 – 10.3 – 10.9 – 11.4 – 11.6 – 11.9 |
---|---|
上り | 4F 45.8 – 3F 34.9 |
こういう表示があると思います。このハロンタイムというのがラップタイムです。
ラップタイムでレースの振り返り(回顧)をすることによって競走馬それぞれの得意なペースやラップ、展開がわかるので、得意な適性と能力の2つが浮き彫りになります。
そのため競馬初心者でもラップタイムをしっかりと理解すると、論理的に分析をすることができるので結果的に納得できる予想をすることができます。
レース全体のタイムや競走馬それぞれが持っているタイム(持ちタイム)だけでは、予想をするのに情報が乏しく経験のない競馬場や距離の場合には予想できなくなってしまいます。
数字で表せられるということは誰が見ても理解でき、納得することができますね。
特に競馬初心者の場合には曖昧に予想するのではなく、ラップ分析を自分でやってみることで競馬の本質や基本を手に入れることができると思っています。
血統よりラップタイムをおすすめする理由
もう少し競馬初心者に対してラップタイムが如何に重要なのかを説明していきます。
予想ファクターの王道と言えば血統だと言われていますが、ラップタイムから得意な距離やペース、展開がわかるので、血統とすごく似ているものだと思いませんか?
ラップタイム、血統に共通しているのは適性(得意)を見抜けることです。
ラップタイムで予想をする場合はある程度のレース結果から分析する必要があるので、いくつかのレース数を経験していないと判断できません。
逆に血統予想の場合は血統による傾向から適性を見抜いて予想をするので、レース数が少ない新馬戦や未勝利戦などで一番効果を発揮すると考えています。
それに加えて血統などで予想されている適性を確認できるのも、ラップタイムのメリットだと考えています。
そもそも血統予想は種牡馬や牝系の戦績から適性を導く予想に対し、ラップ予想はその馬自体の戦績から導き出すものです。
非常に似ているラップタイムと血統予想ですが唯一違う点は、ラップタイムの場合は適性に加えて能力もわかるということです。
レースに勝つ馬というのは能力が高いことが前提なので、その能力や適性を数字を使って捉えることができるラップタイムは予想の基礎といっても過言ではないですね。
その他の予想ファクターについてはこちらから
ラップタイムの種類とは
それではいよいよラップタイムの内容に入っていきますね。
まずラップタイムには2つの種類があり、
- レースラップ
- 走破ラップ
となっています。それぞれの違いをしっかりと理解していない方も多く、二つの違いや特徴をしっかり理解していきましょう。
レースラップとは
レースラップというのは先ほどのGⅡ産経賞セントウルステークスでも書いた、11.8 – 10.3 – 10.9 – 11.4 – 11.6 – 11.9のように1F(200m)毎の通過時間のことを言います。
この場合レースがスタートして最初の1F目は11.8秒、そこから加速をしていき2F目は10.3秒のように見ていきます。
ここで気になるのはレースラップとして記載されるのはどの競走馬なのかということですね。
レースラップとして記載される競走馬はそのレースで先頭になっている馬です。
どのレースでもスタート直後は逃げ馬が先頭に立ちレースを引っ張っていきますね。その逃げ馬が先頭の時はそのまま逃げ馬のタイムになるのですが、ハイペースなどで失速してしまい差し馬に抜かれてしまった場合にはその地点から先頭にいる差し馬になります。
一番間違いやすい部分ですのでもう一度言いますが、レースラップで記載されるタイムはその時点での先頭の馬ということです。
走破ラップとは
走破ラップというのはそれぞれの馬が走ったラップです。
レースラップの場合は18頭立てでも一つしかないですが、走破ラップは出走馬分あるので18通りあるということですね。
走破ラップに関しては基本的にレースラップのように書かれていないので、走破ラップについては自分で計算して出す必要があります。
走破ラップを出すのに使うのはテン3Fタイム、上がり3Fタイム、レースタイムの3つです。
テン3Fタイムはスタート直後600mのタイムで上がり3Fタイムはゴール前600mのタイムですね。
テン3Fタイムと上がり3Fタイムをレースタイムから引くことにより、
テン3Fタイムー中間タイムー上がり3Fタイムという3つのラップで走破ラップを出せます。
それぞれのラップタイムからわかること
レースラップと走破ラップについて理解できたと思いますが、それぞれの活用方法を説明していきます。
・レースラップはそのレースの流れを表しているラップになるのでレースの質や特性を見るのに使います。
よく言われるハイペースやスローペースなどのペース判断や、競馬場毎の距離別による求められる適性の差を分析することが可能です。
ハイペースは差し馬、追い込み馬が有利、スローペースは逃げ馬、先行馬が有利と言われていますが、ハイペースの中でも色々なハイペースがあったりスローペースにも色々なスローペースがあります。
競馬で勝つには他の馬券購入者との差別化が必要なので、レースラップはより深くペース分析やレースの質を分析するために使うことで効果を発揮します。
・走破ラップはスタート直後のテン3Fラップやゴール前のラスト3Fのように馬の能力を見るのに使います。
テン3Fが早い馬で逃げ馬の場合にはハナを切る可能性が高くなりますし、テン3Fが早すぎると後半にスタミナが無くなってしまう、テン3Fが早くてもそのままラップを維持できるスタミナがあるなどの能力がわかります。
テンと上がり3Fの比較から適している距離や起伏の得意不得意もわかりますし、小回り大回りのどっちが得意などの適正も知ることができます。
それぞれのラップを分析することにより数字という不変のもので判断できるため、より精度の高い適性判断と能力評価ができるのがラップタイム最大の長所ですね。
今後の実用的な予想ファクターについてはこちらから
ラップタイム入門編 まとめ
今回はラップタイムの入門編ということでラップタイムの基本中の基本で終わってしまいました。
当初はそのままラップタイムの記事を完成させるつもりだったのですが、ボリュームがありすぎて説明だけで終わってしまうのは申し訳ありません。
やはりラップタイムは内容も深く知れば知るほど面白い予想ファクターですので、しっかりとした内容のある記事を作りたいと思っています。
近日中に分析編、実践編と引き続きラップタイムについての記事を公開しますので、楽しみに待っていてくださいね。