枠順の優劣を学んでレベルの高い予想を 回収率に繋がる枠順、馬番の考え方
今回は予想する上で大事な枠順について、色々書いてみたいと思います。
枠順によって展開も大きく変わり、しっかりと枠順の優劣を理解しているともっと競馬が楽しくなります。
ぜひ最後までご覧ください。
枠順についての考え方
競馬で使われるコースと言うのは基本的には必ずカーブが存在します。(新潟千直除く)
カーブがあるということは基本的にコーナーの最内を回った方が有利になるわけで、スタート地点においても外からスタートする場合と内からスタートする場合で優劣が出てきます。
陸上などの競技のように自分の走るレーンが決まっているのであればいいのですが、競馬の場合は基本的に距離ロスが大きい大外枠が不利と言われています。
それとは逆に内枠であっても不利になる条件などもあり、枠順による特徴をしっかり理解していると序盤の隊列や展開予想もやりやすくなります。
普段からみなさんが使っているベースとなる予想ファクターを補うものとして、どこまで重要視するのかは人それぞれですが、競馬初心者の方でも取り入れやすい部分なので一緒に学んでいきましょう。
枠順の基本項目
競馬で言う枠というのは最大で8枠あり、それぞれ枠色という色で分けられています。
今では色々な種類の馬券の種類がありますが昔は枠連が中心になっており、枠連の馬券を販売するために枠色が作られたと言われています。
色の順列について覚えておくとレースを見る時にどの枠の馬がどこのラインを走っているかわかりやすいので、覚えておいて損はありません。
リストの数字がそのまま枠番としてご覧ください。
- 白色
- 黒色
- 赤色
- 青色
- 黄色
- 緑色
- 橙色
- 桃色
枠順や馬番の発表タイミングとは
枠順や馬番は基本的にはJRAのコンピューターによって自動で決められていると言われています。
基本的に枠順や馬番の発表タイミングはレースの前日10時前後に発表されます。
一部前々日発売されるG1に関しては投票が金曜日から可能になりますので、枠順発表のタイミングは木曜日の午後2時です。
馬券に直結する枠順による優劣を考えてみよう
ここからはこの記事のメインの部分、枠順による優劣について書いていきます。
土日に開催される中央競馬の谷間である平日の動きとして、水曜日の追い切りや木曜日の出走馬確定から予想を始める方が多いと思います。
ある程度の予想が固まって金曜日の枠順発表されてから本格的な印を付ける時に、枠順の優劣をしっかり理解しているとより精度の高い予想印を付けることができます。
枠順についての考え方は人によって色々あるかと思いますが、私なりの枠順の捉え方を書いていきますので、参考にできる部分は参考にしてもらえればと思います。
コース形態からみる枠順の優劣
まずはコース形態からみる枠順の優劣について考えてみたいと思います。
コース形態が枠順に影響する部分としては主にスタート直後から第1コーナーまでの距離が特に重要です。
スタート直後からコーナーまでの距離が短いと枠順通りの隊列になりやすく、そのままレースが展開されることが多いです。
それとは逆にスタートから最初のコーナーまでが長いと、ポジションをとるための先行争いが起きる可能性があり、外枠からポジションを無理にとることも可能です。
ただし内枠にいる馬がテンの早い馬であれば外枠から好スタートを切ってポジションを取りに行っても、内枠の馬に好ポジションを取られてしまいます。
それでも諦めずに激しいポジション争いをしているとどんどんペースが上がっていきますが、外枠の馬がポジション争いで脚を使う時点で不利だと考えています。
騎手の考えにもよりますが外枠の先行馬の場合、無理して脚を使わないで中団からやや後方に待機する策をとる場合もあります。
それも枠順による影響のためです。
ペースについての記事もありますので、気になった方はご覧ください。
もう一つコース形態が枠順に影響を与える部分としては、小回りの競馬場や小さい競馬場で開催される4コーナー回るコースの場合、隊列の好位につけやすい内枠は好成績を残しています。
距離、芝ダート別に見る枠順の優劣
もう少しコース形態の部分を掘ってみると、枠順の優劣は全てのレースに当てはまる訳ではなく距離によって考えるべきだと思っています。
芝の短距離の場合は内枠でテンが遅い馬であれば馬郡に囲まれるリスクがあったり、内ラチを取りに来る中枠や外枠から被される可能性があるので成績は落ちやすいです。
特に短距離の場合はハイペースになりやすい傾向があるので、芝短距離のハイペースであれば内枠を少し割り引いて考えています。
逆に外枠の場合はストレスなく自分の走りたいように走れるのと、芝短距離による外枠の距離ロスは影響が少ないと考え評価は高くしています。
また芝の中距離や長距離の場合は内枠が有利になりやすい傾向があり、ペースもミドルペースやスローペースであれば距離ロスの無い内ラチ沿いを走った方が効率がいいです。
そのため芝の中距離以上であれば脚質不問で内枠の方が良く、外枠になればなるほど顕著に成績が落ちていきます。
ダートの場合はどうなるのかと言うと内枠有利、外枠不利が入れ替わり、内枠よりも外枠の方が有利になります。
なぜダートの場合は内枠の成績がなぜ落ちるのかと言うと、砂を被るリスクがあるからです。
砂被りが大丈夫な馬も数多くいますが、今まで外枠でしか走ったことない馬が内枠に入った時は特に注意が必要です。
- 内枠は距離を短く走れるが、砂を被るリスクがある
- 外枠は砂を被るリスクは無いが、外を回されて距離ロスするリスクがある
ダートの場合はこの上記2点のどちらを優先するかによって評価が変わってきます。
内枠での好走歴があるのであれば砂被りも問題無いことがあるので、距離ロスの少ない内枠の方が当然良くなりますね。
脚質からみる枠順の優劣
競争馬の脚質は逃げや先行、差しや追い込みなど得意とする脚質があります。
それぞれの脚質によって取りたいポジションが変わってくるので、脚質と枠順も非常に重要なポイントになります。
特に影響を受けるのは逃げ、先行馬などの前目に付ける馬です。
内枠の逃げ馬や先行馬であれば比較的自分の取りたいポジションを取れますが、外枠の逃げ馬や先行馬であればスタート直後に脚を使ってポジション争いをしなければなりません。
差し馬や追い込み馬のように後方で待機する場合は内枠よりも外枠の方が良いことがあります。
差し馬や追い込み馬の一番危険な部分として進路が無くなり、前が壁になってしまうことです。
内枠に入った場合に多いのですが差しや追い込み馬が馬郡に囲まれてしまい、最終コーナーや直線を向いてから外に出したいのに出せないことも多々あります。
馬郡が縦長であればどこの枠でも内ラチを走ることができ、任意のタイミングで仕掛けることが可能ですが、団子のように馬郡が固まっている場合には距離をロスしますが早めに外に出しておかないと前が詰まってしまいます。
外枠の差し馬や追い込み馬の場合にはストレスなく好きなポジションから脚を溜めることができるので、外枠に入った場合は少し評価を高くしています。
馬場からみる枠順の優劣
ここからは馬場と枠順の関係について考えていこうと思います。
馬場については開催が進んでくると荒れてくるインコースと枠順が大きく関係しており、馬場が傷めば傷むほど内枠のスタート後に悪い影響が出てきます。
枠順が一番関係するのはスタート後のポジション争いなので、馬場が荒れている場所からスタートする場合にはせっかく内枠に入っているのに好位のポジションをとりにくい場合があります。
その場合は外枠にいる逃げ馬の方がスムーズに鼻を切れることもあるので、枠順を考える時は馬場の荒れ方にも注意して見る必要があります。
また、ダートレースの芝スタートも重要で、外枠が長い距離芝を走れる場合はかなり枠順が有利に働きます。
当然砂の上を走るよりも芝の上を走った方が加速はしやすいので、レースによってスタート位置が芝なのかもしっかり確認する必要があります。
ただスタート位置が芝で外枠の場合には、外枠が有利として狙うことが多いです。
必ず予想する前には競馬場の特徴を確認して、どのようなスタート位置でコースの特徴がどうかを確認しておきましょう。
コースについての解説については、こちらからご覧下さい。
それに加えてトラックバイアスについても、覚えておくと便利かもしれません。
気になった方はこちらからご覧ください。
回収率で見る枠順、馬番について
枠順の優劣については様々な状況によって変わるので、予想するレースによって柔軟に考える必要があります。
それに加えて回収率という数字から枠順を見てみても、より枠順の優劣がわかりやすいと思います。
実際に枠順だけで予想することはまずないと思いますが、回収率から枠順を分析してみると狙える枠と狙えない枠がはっきりわかるので、ぜひ参考までにご覧ください。
枠順別(馬番別)の勝率、複勝率
まずは枠順別(馬番別)の回収率を見て行きたいと思います。
芝の場合は顕著に内枠から外枠に向かって回収率が右肩下がりに落ちて行っています。
- 1~4番 勝率 約7.8%前後 複勝率 23%前後
- 5~10番 勝率 約7.3%前後 複勝率 21.5%前後
- 11~14番 勝率 約6.5%前後 複勝率 18%前後
- 15~18番 勝率 約5%前後 複勝率 15.5%前後
このデータについては毎年の傾向をおおよそ平均化したデータになっていて、毎年そこまで数字が変わらないので傾向として見てください。
ただ、人気馬であっても毎年の傾向が変わらないということは人気に関わらず、芝の場合は外枠が不利なのは間違いなさそうです。
ダートの場合は1~3番の勝率と複勝率が若干落ちるぐらいで、全体的に同じような勝率と複勝率になっています。
内枠の距離有利と外枠の砂を被らない有利がちょうどバランスよくなっているのが理由だと考えています。
枠順(馬番)別の回収率
芝、ダート別の勝率や複勝率がなんとなくわかったところで回収率についても考えてみたいと思います。
芝の場合は馬番で言うと1~14番までは単回収率は80%前後を推移していて、15~18番までは74%前後まで落ちています。
また、複回収率で見てみると綺麗に右肩下がりに回収率は下がっています。
単勝は比較的回収率は変わらないのに複勝の回収率は右肩下がりになる理由として、単勝の場合は比較的外枠に行くに従って人気が落ちていても勝つことにより回収率は比較的落ちにくく、複勝の場合は単勝よりも枠順による優劣を加味していない方が多いと考えます。
ダートの場合は単勝回収率はそこまで全体的に差が無いですが、内枠が若干落ちているようにも感じます。
複勝回収率については単勝と違い外枠に行くに従って上がっている傾向なので、単勝複勝共にダートが内枠不利だと言うことがあまり認知されていないのかもしれません。
単勝と複勝は馬券の買い方や予想の方法が正しいのか修正しやすい券種です。気になった方はこちらからご覧ください。
馬番による枠入りの影響
勘の鋭い方なら違和感に気付いたと思いますが、回収率を見てみると馬番の偶数番と奇数番に大きく差があります。
その理由としてスタートする際の枠入りは先に奇数番が入ってから偶数番が入ることが大きく影響しています。
特に芝の単勝回収率の場合は内枠の2番4番6番の回収率が優秀で、複勝回収率も2番4番が突出しています。
ダートの複勝回収率からは外枠の10番12番14番16番が顕著に高回収率だと表されています。
まとめ
主に枠順を中心に馬番も含めて解説しましたが、少しは枠順についてわかっていただけると嬉しいです。
枠順についてはスタートと展開、ポジションに大きく影響を及ぼす部分で、枠順が変わると着順も大きく変わるほど影響が大きい部分です。
また、回収率の部分からも顕著に傾向が出ているので、偶数番は積極的に狙っていきたい部分ですね。
今回の記事をまとめると
- 芝は内枠が有利(距離による)
- ダートの場合は砂を被らない外枠が有利
- 馬場やコース形態、脚質によっても枠順は重要
- 騎手の特徴やクセによって枠順からどう動くかがわかる
- 迷ったら偶数番(高回収率)